下町狂い咲きキネマを読んだ

絶版。マンガ図書館Zにて配信中です。
http://www.mangaz.com/book/detail/50611


「夢をあきらめないで」とか「くすぶるハートに火をつけて」とか「一歩前に踏み出して」とか、恐らく掲載当時も陳腐だったであろう直球王道主題を、シュールなキャラクタ・シチュエーションに乗せて描いた短編作品集。絵柄は少年誌的でキャラも基本かわいいが、デフォルメ効きすぎてて見づらいとこも少しあったり。ヤクザ者やオッサンのキャラデザに道満晴明を感じたのは自分だけではあるまい。


作品の評価は各々の心の中として、注目したいのは各話の主要キャラクタがほぼ総出演する最終話「サスペンデッド・ゲーム」。作品を気に入っていようがいまいが、こういう世界観が繋がってる演出をされるとカメオ出演しているキャラを全て探したくなってしまうのは悲しいサガである。

……第三話「What a Wonderful World」の主人公・寺間の出演箇所を発見するのに小一時間かかった話はさておき、個人的に気になったのは第二話「えりちゃんの恋」主人公のえりちゃん。主演エピソードではテニス部の先輩への恋を貫くと決心していたはずが、最終話では元球児の妻という役回りで登場する。
第二話の主題は「自分の気持ちと向き合うこと」であって結末は重要じゃないんだろうが、……なんだかな。